DAY12

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Berbegal→Pueyo de Fananas 27.5km

今日も一瞬だけイモトを意識しました。

6:25に出発。街の裏手から坂を下り最初だけ巡礼標識があったものの、その後は1時間半も→がないままだった。

道なき道。→の方向へとガサガサと突き進む。

8:10La Cuadradaに到着。広場で休憩し水道で給水しようと思ったが水は出なかった。村をでると程なくして運河を渡り右折してそのまま運河の上流へ向かい歩いていく。

 9:35Pertusaに到着。バルは9:00 OPENとあるがまだ閉まっている。このいい加減さが好きである。荷物を置いてから教会周りをウロウロして休憩した。この後は村を通らないルートを予定していたので水をたらふく飲んで給水も満タンにした。村から下りたら対岸にPERTUSAの文字があり、教会とのシルエットがいい感じだった。

教会前から反対側へ歩いて来たら対岸にPERTUSAの文字

 そのままA-1217に出て進んでいく。北に行けばAntillonだが、その町に寄らずに進んだ方が近道だと思ったので川を越えてしばらくしてから左の農道へ入っていった。道は広く車のタイヤ痕もあったので少し安心した。特に最近は農道に入ってからは本当に誰もいなくて、見渡す限りでも誰も周りにいないので少し不安になることが多かった。
 一直線だと思っていた農道は分岐が多く、地図と照らし合わせながら進んでいった。影がほとんどなく暑さに耐えながら必死だった。そしてここから更なる不安と戦うことになる。

 ん。。。あれ。。。突然視界に入ってきたのは何とキツネ。あれ、キツネって人がいないことろにいるんじゃなかったけ。もし今自分がここで熱中症などで倒れても誰も見つけてはくれない。そういう不安が頭を埋め尽くす。これは意地でも次の村に辿り着かなくてはと何だか精神的に必死だった。

左側に立っていたボード。なぜこっちへ行ってしまったのか。。。
これが見えたら右ですよ!!!

 次の分岐にきたときに真っ直ぐの道には→があり、もう1つの左の道にはメタルのボードが立って下りこちらは巡礼の印であるコンチャ(ホタテ貝)の絵がかいてあった。不安は決断を鈍らせた。地図で見たときどちらも進行方向なので決めきれず、普段なら→に進むのに、左の道を選んで入っていった。足の裏にマメを感じ、さっきの不安からか早く到着したくて重い荷物を持ちながら走ったりもする。それだけ何だか焦っていたし、人の気配のない巨大な自然の空間が怖かった。不安は不安を誘い足取りは早くなる。
 しばらく歩いただろうか、地図を確認して見たところ、左に大きくそれていることがわかった。あの分岐で真っ直ぐにいくべきところを左に入ったためにゴール地点からは大きく逸れていた。引き返すことは考えられなかった。とにかく今の自分は前に進まなければ恐怖で押しつぶされそうな思いだった。畑の持ち主に心で謝り、ミル畑を突っ切った。

本当に何もない。倒れたら終わり。

 刈り終えているところがほとんどだったが、その中を、進むべきだった道と今来た道とを三角形に繋ぐように畑を横切り元の道へと修正した。刈りそろえられているように見えた畑は実際には根元が固く、ひざ下まで伸びているところも多く非常に歩きにくかった。 ようやく右前方に村が見えて来た頃、→も目に入るようになっていた。近道として選んだつもりのルートがかえって遠回りになった。
 この日は体調が万全であったことと、途中で水を1、5Lフルにしていたこと、オフラインの地図を持っていたことなどが功を奏したと強く感じた。13:30頃に到着が見えて来たと同時に足の痛みを急激に感じた。おそらく必死すぎて気づかなかったのだろう。村に到着して腰を下ろしたベンチからはおじいちゃんから声をかけられてもしばらく動けなかった。声をかけてくれたのはアルベルゲのオスピタレロ(管理人)でベンチの目の前の教会の隣がアルベルゲだとわかった。

この二階がアルベルゲになっている。

 Pueyo de Fananasには商店がないということは事前にわかっていたので食料を買っていたが、台所にはパスタやソースなどが揃っており、使っても良いということだった。パスタを作ったが、スペイン横断始まってしっかり自炊したのはこの日が初めてである。タコの缶詰を使ったタコのトマトパスタ。何とびっくり。これが美味しすぎて、この先のフードパートナー確定である。

栄養とか考える余裕はない。とにかくエネルギー

 明日の朝食用に少し残して約2人前を平らげた頃に巡礼者がやって来た。ベン先生の登場である。残りのパスタを食べてもらい、2日ぶりのおしゃべりに花が咲く!ベン先生の足の裏には今までの人生で見たことがないほどの5cmくらいの大きなマメ(もはや水ぶくれだ)ができていた。自分はどんなに小さくてもその日のうちに必ず切って水を抜くので成長しないが、迅速に処置しないとこんな風になるんだと恐怖さえ覚えた!この日も一部屋ずつを貸切状態で使わせてもらいのんびりする。

 夕食はベン先生が秋刀魚の缶詰めパスタを作ってくれた。21:30〜23:00くらいまでスペイン語を教えてもらった。ベン先生のスペイン語は本当にわかりやすくて時間があっという間だ。

スペルはわからないので音だけ聞いてまとめた。