前置詞『方向性のfor』と『終点のto』

            <!-- wp:paragraph -->

数回に分けて前置詞の具体的なイメージを捉えてきましたが、知れば知るほど今まで暗記してすんなりと吸収していたものに疑問が生まれてくることもあるでしょう。今日はそんな中からforとaのto棲み分けを少しだけお話ししようと思います。 



 forとtoはどちらも方向を表しているので矢印を使ってイメージすることができます。しかし、矢印は矢印でもこれら2つには大きな違いがあり、forは方向のみを示す一方で、toは方向だけでなく到達の意味も含んでいます。 

 ではもう少しわかりやすくみていくためにforとtoを使う表現をみて比べてみましょう。

まずはforを使っている表現から
start for 〜へ出発する
head for〜へ向かう
be bound for〜へ向かっている
make for〜の方へ進む

では次にtoを使っている表現
come to〜に来る
get to〜に着く
drive to〜へ行く
lead to〜に通じる
make it to〜にたどり着く

上の絵のような矢印の感覚がつかめたでしょうか?


①Joe left for New York. ②Joe went to New York.

 具体的にこの2文を比較すると、①は『ジョーはニューヨークに向けて出発した』というだけで到着したかどうかは問題ではありません。一方で②は『ジョーはニューヨークに行った』となり、ニューヨークに到達していることがわかります。

 このように空間でイメージすると、forはまだ達していない、toは達していると言えます。

 さらにこれを知覚でイメージすると、forはまだ感じていない、toは感じていると言えるので、以下の覚えてきた表現の前置詞も納得が行くことでしょう。
listen to〜を聞く、look for〜を探す(〜を求めて見る)、wait for〜を待つ

 そして文型の書き換えでtoとforどっちなの〜?と迷っていた人は、もうそんな迷いとはおさらばですね。