スペイン横断 DAY8

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Linyola→Algerri 29.8km

 今日は2016年7月14日。生きていれば父の誕生日だ。巡礼を始めるに至った理由の1つには父の死に向き合うということが含まれている。父が亡くなってその年度末に仕事をやめ、生と死について考え、自分の夢に明け暮れた1年間、慌ただしく毎日を過ごしていた。父が亡くなって2年も経っているのに自分はまだ実感があまりわいていなかった。そしてこの旅1週間にしてすでにこれでもかというほど父のことを考え多くの涙を流した。そんな時間がたくさんあるのだ。1人で考える時間が嫌という程ある。そして教会はそういう1つの場としてあるのだ。(←やけに教会に入りたがる人だと思われていたかもしれないが、スタンプが全てではない。)

朝日を浴びながらのスタートはとても気持ちが良い。

 今日は今までで一番早い6:30の出発。朝は風もあり肌寒く、水分をあまり消費することなく歩いた。今日は一段と涙がでる。でも我慢する必要がないので泣きたいだけ泣きながらも前に進む。農道の端は土がふんわりしていて足への負担が少ない。8:30頃前方に城のようなものが見えるが道は左にカーブしていき9:00前にC-13とC-26の道路の下を渡って再び農道へでる。10分ほどでL'HostelをぬけてBaragverへ到着。一直線に街を抜けると川があり、橋がかかっている。左手にはカラフルな家々、右手には教会がある。

右手側の教会。少し高台にある。

左側のカラフルな家々。

 教会へはクネクネとした坂道が続いているが、一直線に近道できる階段を見つけたのでバックパックを置いて駆け上がった。久々に教会に入れた。やはり自分の存在への感謝を告げ、父の冥福も祈る。
 下に降り、カラフルな家の方へ向かうと巡礼標識はグッと曲がって旧市街の中をさしていた。

もはやお洒落で置いているのか実際に使われているのかは確認できなかった。

 その先には急傾斜の坂が50mほどあり、右にSanta mariaを見ながらやっとのことで登りきった。巡礼路は坂の上の道路を渡って10:10頃再び農道へ入っていく。パイプを加えたおじさんが水はあるかと聞いてくれた。10:50頃、少し分かりにくいが石に→が描かれており右折すると標識があった。分岐では必ず先も確認することが大事だ。おそらく、何かあって分岐の→方向が反転したりすると大変なので少し先にあると思った。道が分かりづらく、標識は直進なのに、新しいボードに白い矢印で右折を示していたりとかなりトリッキーな道である。MAPS.MEに助けられながらも11:55にCastello de Farfanyaに到着。

先生も含め、着替え済で移動している姿が可愛らしい。おそらく川で遊ぶのだと思われる。

 小さな町で高台に城跡がある。

 さらに歩き続けて2時間でAlgerriの教会に到着。アルベルゲは教会の二軒隣のレストラン経営のおじさんが管理していた。おじさんはスペイン語で丁寧にアルベルゲの説明を20分ほどしてくれた。明日の道も一緒に確認してあげるから夕方おいでと言ってくれた。グーグルマップを使って宿を出てから3日分のルートのコピーをくれた。

 そのあとは教会を開けてくれ、教会の説明をしてくれた。戦争で壊された教会の修復はその費用節約の為に他の部分を壊して作り直したという。小さかった教会を広くする為に前の柱を広げて60年前に新しくなったそうだ。内部装飾品は寄付によって賄ったという。これらは全てスペイン語だが、身振り手振りと英語に似たスペイン語の単語を聞き取ることでなんとなく理解できた。今日は2つも教会に入れた。感謝。