スペイン横断 DAY7

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Tarrega→Linyola 24km

 7:15出発。タレガの街を出て150m程で農道に入っていく。風があり涼しいのはとてもいいが、同時にどこかの馬糞みたいな匂いも漂ってくる。ウゥぅ。ほとんど一本道なので避けられない。うぅぅ。

 匂いを忘れた9:40頃にTomobousnoの村の教会に到着。村では昼間はほとんどの教会が閉まっているため中には入れない。残念である。個人的には巡礼スタンプをせっかくだから押して欲しいのだ。外の広場で休憩しているとコンチャを首に下げたチャリダーの巡礼者が現れた。モンセラットの丘を出てから初めての巡礼者との遭遇である。バスセロナ出身だという彼とは巡礼のきっかけなどを少し話た。そしたらやたらと日中関係について聞いてくる。中国の悪口を引き出したいらしい質問ばかりしてくる。そういうことは考えたくないので早めにバイバイ。でも自分が歩く巡礼路に巡礼者がいることが確認できたことは少し自分を勇気づけたと思う。

バルセロナから自転車で。バルセロナから歩いてきたと言ったらとても驚いていた。

 村を抜けるとそこはフルーツ畑天国。りんご、洋梨、ぶどう、さらにトウモロコシと食欲をそそる。10:30にel Tarrosの村に到着。10分で次の村la Fuliolaに到着するも教会は空いていないのでスルー。
 11:55にCastell del Remeiに到着するとそにはワイン工場があった。そこからは向かい風で、15kgのバックパックが地味に負荷を強くしてくる。足の裏が痛いので敢えて小走りで進んでみたりもした。Linyolaの街が見えてからがとても長く感じた。いつも街が見えるとあと少しという期待とは裏腹にそこまで辿りつくのに見た目以上の距離がある。そして最後は決まって坂だったりする。街の手前では味噌のような匂いがしてきた。。。あれ、馬糞と味噌の共通項を知ってしまった。日本に帰って味噌汁飲めるかな〜なんて心配をしたさ。 
 Linyolaに入ってからは地元のおばちゃんに宿を聞くと車に乗せてそこまで連れていってくれた。13:50頃にはその知り合いのおばちゃんの家っぽいところに到着。おそらく巡礼宿とかではなく、おばちゃんの商売に貢献しただけだと思う。巡礼宿があるのかは不明。しかもこの日は街が断水しており、大きなペットボトルの水を2つ(飲み水用とそれ以外用)渡されただけだった。少し黄ばんだ水でシャワーを浴びる気はしなかった。

 19:00頃に教会へ行くと広場にいたおじさんが「教会に入りたいならアントニオのところへいってみなさい」というので指差す家へ行くとおばあさんが出てきて、それならこっちだよと言わんばかりに別の家へ連れていってくれた。するとそこの人が今度は違う方を指差し、そっちへ行ってみろみたいなやりとりをしていたので諦めた。謎の”教会入りたい故のたらい回し”。
 広場に戻ると最初のおじさんがいて一緒にがっかりしてくれた。広場でスペイン語の本を読んでいると子どもたちが寄ってきて、そのうちの1人が英語が達者で色々話してくれた。みんな目がキラキラしていてアジア人は初めて会うらしかった。皆思い思いにスペイン語を教えてくれる。12才で色々な国からの移民の子供達だった。

それまでめっちゃ喋ってニコニコしてたのに、カメラを向けられた途端に表情がこわばる子供達。

 その広場にはその子供達の先生も自分の子供を連れて遊びにきており、街の断水のことを心配してくれ、うちには非常用貯水があるかたシャワーにおいで、ついでにご飯も食べていってと優しくお誘いしてくださったので、遠慮なくお伺いした。シャワー後は子供達と折り紙をして遊んだ。6才のお兄ちゃんは発達障害だと教えてくれた。恐竜の化石に興味があるようで、折り紙を解体して自分で折り方を覚えようと必死だった。3才の妹も一緒に辞書や写真を使って楽しく会話ができた。
 断水が生んだ素敵な出会いだった。先生は帰り見送りしてくれ、あなたと出会えてラッキーだと言ってくれた。
 そしてそのときいつも履いていたビーチサンダルが蓄光型で夜に光ることも知った。