スペイン横断 DAY3
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ミゲル宅→Montserrat(巡礼の開始) 電車移動+3.5km
もうこれまでか、、、後悔と焦りと疲労で先に進めず私は炎天下の中、小さな木の木陰で眠りに落ちた。そう、これは横断を始めて3日目。そして横断を諦めかけた最初で最後の日でもある。
全て徒歩を計画していたが、ミゲルの家からモンセラットまで徒歩は無理だと言われ、進められるがままに電車でモンセラットの丘の麓に到着した。約95分と書かれたコースボードを確認し、スタートして2時間たった頃、まだ半分にも至っていない箇所での出来事である。
甘かったのだ。何もかもが甘かったように思えた。あれだけ荷物は10分の1と色々な経験者が語っていたにもかかわらず、56kgの私は15kgの荷物を背負い、山道を歩いていた。二日間はバルセロナ市街地の比較的平坦な道を歩いてきたが、山道はそう簡単ではなかった。途中で何度も引き返すべきか迷っていた。約1時間半で登り終えるはずのコースは照りつける暑さと大荷物のせいで私の心を折るのに十分すぎる疲労感を与えていた。
何度も何度も母と確認して合言葉のように言っていた「無理をしない」「帰りたくなったらすぐに帰る」という約束は私の勝手な意地でいとも簡単に破られた。
こんなところで引き返すわけには行かない。やるしかない。という心の声とは裏腹に体は動けなくなっていた。木陰でオレンジを補給した私は意識とは関係なく、眠りに落ちていた。
他の登山者たちの賑やかな声でハッと目を冷ました。結局40分ほど木陰で眠っていたようだ。私は気を奮い立たせて、おっしゃと気合いを入れ直し、再び山道を進み始めた。
途中トレラン用の小さなバッグを背負った2人組みの男性1人がへばっており、水をねだられた。友達も水がないらしく、代わりに頼んできた。ちょっとー、この状況。(こっちはね、こんな大荷物背負って下から1人で登ってきて、さっきまでまじで無理で諦めようかと思ってたけど何とか頑張ろうって思ってここまできてるのに何でそんな軽装の君たちから水をねだられないといけないわけ?途中で水がなくなったらどうすんのさ。え?え!?)はい、どうぞ!笑 ちょっと残しておいてねーという言葉通りちょっと残して飲まれた水。。。いや、彼も必死で瀕死だったんだろう。うん、人助けをしたんだ。そうだ、人助け。何か自分より強そうな人がへばってるの見て元気出てきた。
そんなこんなで最後の超絶長い階段を登りきり、頂上の修道院に到着したのは14:40であった。11時に出発してから3時間40分。寝ていた時間を抜きにしても倍以上の時間がかかっており先が思いやられた。しかし、疲れも一気に吹き飛ぶような絶景がお出迎えである。
巡礼手帳を手に入れ、宿に荷物をおいたら疲れ果てているにもかかわらずじっとしておられる広大な頂上を歩き回った。
夕方19:00からはミサが行われ終了後には個人的に今後のカミーノの安全祈願をしていただいた。
到着から巡礼手帳、宿、ミサ、安全祈願、と色々お世話をしてくれたオスピタレラの方。とても優しくて安心して過ごせました。